中国都市計画設計研究院と百度地図はこのほど共同で、「2024年中国主要都市通勤モニタリング報告」を発表した。中国の主要45都市の通勤時間、通勤空間、通勤手段の3つの面における9つの指標を通じて、2023年の中国主要都市における通勤状況の特徴を明らかにしたものだ。それによると、同年の通勤状況においては、(1)快適な通勤への回帰(2)速度の遅い交通手段のニーズ拡大(3)極端な通勤が改善され、超長距離通勤に引き続き注意が必要だという3つの面で変化が見られたという。中国消費者報が伝えた。
快適な通勤への回帰
同報告は5キロメートル(km)以内の通勤距離を快適な通勤と定義する。同報告によると、23年には快適な通勤の割合は低下から上昇に転じ、前年同期比2ポイント(p)上昇の52%になった。3年続いた快適な通勤の全面的な低下傾向に変化が起こり、42都市で低下から上昇に転じ、中でも深セン、広州、長沙、武漢をはじめとする11都市は19年以降の最高水準に戻った。
超大型都市では2.5km以内の通勤距離の割合が32%、特大都市では33%となり、19年比2p上昇した。広州ではこの割合が44%、深センでは35%に達し、超大型都市の中で最も高い水準となり、上昇幅が大きかった。2.5km以内の通勤の割合が上昇し、これは自転車で15分で行ける距離で、速度の遅い交通手段のニーズ拡大に注目することが必要だ。
通勤時間で見ると、23年に主要都市では45分以内の通勤時間の割合が全体平均で同1p上昇の77%に達した。超大型・特大都市22ヶ所のうち、16都市でこの割合が上昇した。深センは81%に達し、初めて45分以内の割合が80%を超えた超大型都市になった。
北京は極端な通勤の割合が最高
同報告は60分以上の通勤時間を極端な通勤と定義する。23年は主要都市で60分以上の通勤時間の割合が前年から横ばいの12%になった。超大型・特大都市22ヶ所では極端な通勤が「ゼロ成長」となった。北京は引き続き極端な通勤の割合が最も高い都市で28%に達した。
長距離通勤の交通の効率向上は都市の高速度幹線交通システム構築における重要な目標で、極端な通勤の問題を解決するための重要な手段でもある。超大型・特大都市22ヶ所には、片道の通勤距離が25kmを超える人が800万人以上おり、通勤人口の8%を占め、19年比1p上昇した。北京は25km以上の超長距離通勤の割合が最も高く12%に達し、2位の広州は10%に達した。特大都市のうち、超長距離通勤をする人の割合が最も高いのは東莞、青島、長沙で、いずれも8%を超えた。
23年の超大型都市の平均通勤距離は同0.1km短くなって9.5kmとなり、特大都市では同0.3km短くなり8.3kmになった。41都市の平均通勤距離は前年同期比の変化が見られず、3年続いた拡大傾向が鈍化した。19年と比較すると、主要45都市のうち、42都市は職住分離のライフスタイルが増加し、39都市は通勤距離が拡大傾向にあり、都市化プロセスの中で超大型・特大都市及び大半の大都市では職住分離の流れが今後しばらくの間続くと見られる。