中国市場監督管理総局と国家データ局はこのほど共同で「プラットフォーム企業向けの信用監督管理データの開放試行によるプラットフォーム経済の規範的で健全な発展の推進に関する通知」を公表しました。八つの試行都市で信用監督管理データを開放し、モバイル決済プラットフォームが個人経営者の情報をチェックできることを許可することにより、オンラインショップの開設とクレジットカード決済の導入が一層促進され、個人経営者の集客チャネルの拡大につながり、クレジットカード決済に慣れている訪中客の決済の利便性がさらに高まるだろうと見られています。
△コンビニの決済案内板
キャッシュレス化が進む中国の現在の消費シーンでは、中国を訪れる外国人はクレジットカードを紐付けしてモバイル決済を行うことが多い一方で、中国国内の個人経営者が一般的に利用しているウィーチャットペイ(WeChat Pay)やアリペイ(支付宝)などの個人入金コードはクレジットカード決済に対応していません。それは、モバイル決済プラットフォームが個人経営者の登録情報を把握しておらず、個人経営者が事業者入金コードを開通するプロセスが複雑かつ時間がかかるものとなっているからです。その結果、クレジットカードを使いたい外国人訪問者の決済に深刻な影響を与えています。今回の通知はまさにこのような難点を解決することを目的とするものです。
通知によると、江蘇省蘇州市、浙江省杭州市、山東省済南市、湖北省武漢市、湖南省長沙市、広東省深セン市、四川省成都市、陝西省西安市の8都市でモバイル決済プラットフォーム企業への信用監督管理データの開放試行業務を展開することが決定しています。統計によると、試行地域に指定されたこの8都市の個人経営者の数は全国の約9.3%を占めており、今回の試行事業は計1100万社以上の個人経営者をカバーできる見込みだということです。
復旦大学デジタル・モバイルガバナンス実験室の鄭磊主任は、「今回開放された信用データは公共データである。本来は政府部門内でしか使用されていなかった個人経営者の登録情報などの信用データを必要な機関に開放することは、一つの改革措置であり、より良いビジネス環境を整える上でプラスとなるだろう」と分析しています。