週末になると深センの劇場が混雑する。カンフーマスターたちはバレエのように戦い、バク転し、軽やかに舞う。舞踊劇「詠春」の主人公はバレエダンサーのルドルフ・ヌレエフとカンフーマスターのブルース・リーを合わせように優雅で俊敏だ。この舞踊劇は10月4−6日にフランスのパレ・デ・コングレ・ド・パリで初上演される。21日付仏紙「フィガロ」が伝えた。
深セン歌劇舞劇院の俳優はこの3年間に渡り、午前中に老師から武術を学び、午後にダンスを練習してきた。彼らは実戦の中からインスピレーションを得て、姿勢の美しさを求める。舞踊劇でイップ・マンを演じる常宏基は、今や詠春拳の熱狂的な愛好家となった。舞台ではジャッキー・チェン、ジェット・リー、ドニー・イェンなどのカンフースターの演技に倣い、同時に「ウエスト・サイド・ストーリー」や「ラ・ラ・ランド」などの西側文化作品を参考にする。八卦掌のトップを演じるバレエダンサーの王沅琳も現在、呼吸法を練習している。「呼吸は純粋な外部の筋肉の力と異なり、女性も格闘で男性に勝てるようになる」からだ。
詠春拳は広東省仏山の小さな流派だったが、今や世界各地で花開いている。京劇と雑技に続き、中国映画(特に香港映画)も武術から深く滋養を汲み取った。カンフー映画はアクション映画を再定義し、カンフースターのブルース・リーを生んだ。ブルース・リーの師であるイップ・マンは1950年代に香港で道場を開き技を伝授した。イップ・マンが亡くなってから長年がたち、映画「イップ・マン」と「グランド・マスター」によりもう一人の民族英雄になった。