高原に位置する林芝(ニンティ)市人民医院。(4月9日撮影、ニンティ=新華社記者/徐弘毅)
中国西蔵自治区の南東部に位置する林芝(ニンティ)市は、人口がわずか23万人余りだが、面積は約11万4千平方キロもあり人口密度が低い。地元医療機関のサービス半径は広いが、医療サービス能力は常に患者のニーズに応えられない状態が続いてきた。
1994年に広東省がニンティ市にペアリング支援を行うことが決定された。大まかな統計によると、同省は過去30年間で同市に対して累計5億3千万元(1元=約20円)を投じ48の医療支援プロジェクトを立ち上げ、省内30以上の3級甲等医院(医療機関レベルの最上位)を組織して、1300人余りの医療従事者と衛生管理者を派遣し、同市にある各レベル、各カテゴリーの公的医療機関を支援し、継続的に現地の医療サービス能力強化に貢献している。
広東省中山市人民医院腫瘍科の雒洪志(らく・こうし)医師(左)とニンティ市の患者(中央)とその家族。(ニンティ=新華社記者/徐弘毅)
同省は第14次5カ年規画(2021~25年)期間に、西蔵への支援資金をさらに調整し、毎年200万元を投入してニンティ市人民医院の胸痛センター、脳卒中センター、外傷センター、重篤妊産婦救急センター、重篤児童・新生児救急センターの設立を支援した。現在同市では、「軽い病気は鎮を出ず、中程度の病気は県を出ず、一部の重病は市を出ない」という医療体制が基本的に形成されている。