シールドマシンのカッターヘッドが穴を突き破り、広東省広州市海珠湾トンネルプロジェクトシールドトンネル区間がこのほど、全線開通した。科技日報が伝えた。
同プロジェクトの投資総額は約116億8000万元(1元は約21.5円)。広州市の海珠区と番禺区にまたがり、全長は4.35kmで、トンネル区間は3143m。うちシールド区間は2102m、開削直径は15.07mで、広州初の超大口径シールドトンネルで、「広州一のシールドトンネル」と呼ばれている。
同プロジェクトの所在地は地上の建築物が密集し、周辺の交通量が多く、泥質シルト岩層及び2つの断層破砕帯の長距離横断を含む地質条件が複雑で、シールドマシンによる横断のリスクが極めて高い。シールドマシンの安全で効率的な掘進を保証するため、建設チームは横断リスク源条件検収制度を構築するとともに、復数の掘進試験区間を選び掘進パラメータ分析・調整を行い、シールドマシンの実際の掘進に正確なデータサポートを提供した。
同プロジェクトのシールドマシン区間は各所のセンシティブな構築物を相次いで横断し、大きなリスク源は26カ所、影響範囲内の家屋は600軒近くだった。これに対し、建設チームは既存の建築物の「原位置保護」、つまり建築物を解体することなく杭基礎の交換工事を行った。大規模な解体工事や再建設を回避した上、施工の周辺企業・住民への影響を最小限にした。
同プロジェクトが着工して以降、广州交投集団と中鉄十四局が重要技術の研究開発に取り組み、技術の難易度が高く、施工条件が厳しく、施工プロセスが複雑といった厳しいチャレンジを全力で克服した。プロジェクトは、中国の最大規模超大口径シールドマシン摩擦杭群施工や、中国初の同一プロジェクトにおける常圧型・通常型の2種のカッターヘッドによる全線掘進といった複数の「中国初」を打ち立てた。
海珠湾トンネルプロジェクトは2025年に完成・開通する予定。これにより中心市街地と広州南駅が15分で結ばれる。