今年の台風22号「インシン」が襲来した影響で、アジア初の円筒型海上石油・ガス処理施設である「海葵1号」とアジア一の深水ジャケット「海基2号」がある流花油田海域の風速が24.5~28.4m/s、波の高さが6mに達した。70人余りの海上作業員全員が8日、陸上に退避した。人民日報が伝えた。
作業員全員が退避した場合、海上油田は正常な稼働を維持できるのだろうか。
中国海洋石油集団有限公司(中国海油)は近年、スマート油田の建設を着実に推進しており、IoT(モノのインターネット)やビッグデータなどのデジタル技術と探査・開発業務を深く融合させることで、複数の石油・ガス田で「台風生産モード」を完成させ、石油・ガスの安全生産水準及び生産効率を高めている。
「台風の目から230km、風速35ノット、横揺れ0.7度、縦揺れ0.4度……」。広東省深セン市に位置する流花油田生産操作・制御センターでは、作業員がディスプレイのリアルタイムの生産パラメーターを見つめながら、遠隔操作・制御システムにより240km離れた「海葵1号」と「海基2号」を制御し生産を行っていた。
「台風生産モード」に入り、海上作業員が陸上に退避すると、陸上の中央制御システムの「コピー」により海上施設を遠隔制御する。操作信号は衛星という「スーパーWi-Fi」によって伝送され、台風期間の生産停止を短くするか、生産を停止させないことを実現している。
中国海油流花油田作業エリア装備部マネージャーの曾強氏は、「海葵1号と海基2号は現在すでにモバイル5Gネットワークの通信カバーを実現している。流花油田は今後、5Gネットワークにより重要設備のスマート診断、人工知能アシスト、スマートセキュリティ管理などのデジタル・スマート化ツールの導入を模索する。セキュリティ管理の遠隔・リアルタイム緊急動画指揮、油田開発における海上油井掘削データの伝送、生産・運営期のデータリアルタイムクラウド採取などの一連の新機能の実現を目指す」と述べた。