自動運転の「空飛ぶタクシー」を拾い通勤すれば、杭州から上海まで30分余りで到着する上、料金はタクシーとほぼ変わらない。人型ロボットは指示に基づきミカンやルービックキューブなどのものを手渡してくれる……第7回中国国際輸入博覧会(輸入博)の展示エリアでは、これらの優れものの展示品が来場者に未来感満載のテクノロジーのビジョンを描き出している。科技日報が伝えた。
今博覧会では400余りの代表的な新製品、新技術、新サービスが集中的に展示。出展する世界トップ500社と業界リーディングカンパニーの数は297社で過去最多を更新した。
未来の移動における複数の可能性を展示
「低空経済」(低空域飛行活動による経済形態)は今輸入博の注目ポイントの一つだ。「移動の未来に無限の可能性を」をテーマにした自動車展示エリアでは、今輸入博最大の展示品である御風未来2トンクラス大型M1 eVTOL(電動垂直離着陸機)有人実機が初公開された。現場で実施される「初飛行体験官」イベントで、来場者は「空飛ぶタクシー」による通勤を体験できる。黒と白の塗装が施されたM1 eVTOLの翼長は15m、機体の全長は10 m、離陸重量は2.5トン。全自動運転飛行を実現でき、1回の充電で250km飛行できる。
御風未来2トンクラス大型M1 eVTOL有人実機(撮影・劉垠)。
上海時的科技有限公司が独自に研究開発したE20 eVTOLが初めて一般公開された。このeVTOLの設計航続距離は200kmで、ペイロードは450kg、1人の操縦士と4人の乗客を乗せる。来場者は現場でQRコードをスキャンし、予約することで、スマート移動を体験できる。
E20 eVTOL(撮影・辛悦衛)。
今輸入博のイノベーション・インキュベーション展示エリアでは、「ローラースケート」で行き来する人を時々見かける。この普通に見えるストラップサンダルは、実際にはランニングスピードで歩行できる世界初のスマートパワーシューズだ。靴底のブラシレスDCモーターが車輪を動かし、使用者を前進させる。最高速度は11km/hに達する。瞬動科技公司は今輸入博でこのスマートパワーシューズ「ムーンウォーカー」の最新モデルをアジア初展示した。
各種ロボットが集結
今輸入博では多くの斬新なロボットが注目を浴びている。筆書き、ダンスができるほか、コーヒーを淹れることもできカクテルも作れる。
人のダッシュを真似る世界初の完全電動実寸大人型ロボット「天工」が、今輸入博の中国パビリオンに登場した。「天工」は数キロメートル安定的に走り、視認できない状況でも、坂、階段、芝生などの複雑な環境で安定的に移動でき、つまずき、踏み外すことがあっても、速やかに歩行姿勢を調整できる。
人型ロボット「天工」(撮影・翁奇羽)。
「天工」は運動能力に秀でているが、深セン市優必選科技有限公司が独自に研究開発した産業用ロボット「Walker S」は「EQ」で群を抜く。今輸入博の現場で、Walker Sは指示に基づきリンゴ、ミカン、テニスボール、ルービックキューブなどのものを掴むことができる上、来場者と「お絵かきクイズゲーム」を行うこともできる。Walker Sシリーズはすでに複数の自動車メーカーで実習を受けており、スマート搬送、スマート仕分け、スマート検品などのタスクを実行できる。
ABBの展示ブースでは、2本のロボットアームがそれぞれ6脚のワイングラスを揺らし続けながら、もう1本のロボットアームがグラスの間を素早くすり抜ける。割れやすいグラスをどれほど揺らしても、こうした産業用ロボットはワインを一滴もこぼすことはない。同展示ブースの関係責任者によると、現場で展示された3台のロボットは新世代「OmniCore™」コントローラーを搭載。コントローラーのサポートにより、複数台のロボットが同時に高速で運動でき、移動ルートの精度は0.6mmに達する。
スマート医療で健康を守る
今輸入博の医療機器・医薬保健展示エリアでは、複数の「世界初公開」「アジア初出展」「中国初出展」の製品が集中的に展示された。
今輸入博で、ツァイスのフェムトセカンドレーザーシステム「VISUMAX 800」が初公開された。同システムはフェムト秒技術を10秒スマート化段階に進めている。
ツァイス展示ブースの新世代フェムトセカンドレーザー(撮影・方喆)。
間もなく発売のツァイスのトゥルーカラー高画質超広角眼底カメラ「Clarus 700」が、多くの来場者を魅了している。展示ブースのスタッフによると、Clarus 700はツァイスの広線共焦点レーザー走査特許技術を採用し、全眼底造影像と高品質トゥルーカラー高画質眼底画像をスマートに生成し、医師がより正確かつスピーディに糖尿病網膜症の早期病変を識別するようサポートできる。
7年連続で輸入博に参加するシーメンスメディカルシステム有限公司は複数の画期的な医療機器を持ち込んでいる。うち最も注目されている展示品は世界初の「2つの超高磁場強度を備えた装置」のトップレベル科学研究磁気共鳴プラットフォームだ。マルチエネルギーイメージングや病理メゾスケールイメージングなどの技術を集結しており、新たな画像バイオマーカーを提供できる。