中国人民銀行はこのほど、国家金融監督管理総局や中国証券監督管理委員会と共同で、預金準備率引き下げ、政策金利引下げ、住宅ローン金利引き下げ、新たな金融ツールによる株式市場の発展のサポートなど、金融により経済の質の高い発展を支える政策の「大プレゼント」を発表した。市場はその当日、非常に明確に反応を示した。24日の上海総合指数は4.15%高で、取引額が増加し、1日としては約4年ぶりとなる上げ幅を記録した。香港のハンセン指数も1日としては1年半ぶりとなる上げ幅を記録。25日には上海証券取引所と深セン証券取引所の3900以上の銘柄の株価が上がり、1日の取引額が1兆1574億元にのぼった。
同時にオフショア人民元の対ドルレートが1ドル=7.0元を割った。これは米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを受け、市場が元高に期待感を示していることを意味する。これはまた外貨売買の需要を促し、元高軌道に乗せる。これらのデータは、中国経済の長期好転のファンダメンタルズへの市場の自信を反映しており、政策が実現を目指す効果が初歩的に顕在化している。
国内を見ると、これら一連の政策は従来のスローペースを変え、その市場への刺激は予想を大きく上回った。特に新しい制作ツールの使用は市場にサプライズをもたらし、市場の自信を立ちどころに強化した。
中国は現在、新旧の原動力の切り替えを急ぐ重要な時期、質の高い発展を促す肝心な時期を迎えている。不動産、重化学工業、インフラ整備と基礎とする経済発展モデルから、消費とハイエンド製造を主導とする発展モデルに転じている。現在の経済の全体的な流れは、顕著な二極化を呈している。新エネ車や太陽光発電産業などを始めとするハイエンド製造業が力強く成長し、輸出が安定増を維持している。その一方で、住宅市場と株式市場が経済成長の足を引っ張る主な要素となっている。中でも特に株式市場の全体的な低迷と住宅市場の萎縮は、一部の人の経済発展への自信に影響を及ぼすと同時に、消費のモデル転換にも一定の影響を生んでいる。
後発の大型エコノミーである中国は先手を打ち、より深い経済の変動を回避したが、経済の質の高い発展をさらに強化するには正確な施策が必要だ。そのためこの株式市場と住宅市場に向けた各種金融政策は、市場の自信を立ちどころに強化する「カンフル剤」になった。
国際的に見ると、中国の力強い各種金融政策は自国の株式市場を盛り上げ、さらにアジア太平洋及び欧州の株価高騰を顕著にけん引した。政策が発表された当日、MSCIアジア太平洋インデックス(日本を除く)は0.92%高で、2022年4月ぶりの高い水準になった。ストックス欧州600指数も0.9%高。発表の翌日、大口商品が刺激を受け、欧州の株価が続騰し、鉱業銘柄は4.5%高を記録した。世界経済成長の重要なエンジンである中国の金融政策の調整は、国内経済の質の高い発展を支える力を発揮し、また世界経済の穏健な発展にプラスのエネルギーを捧げた。