暑い夏は、黄皮(ワンピ。ぶどうに似たミカン科ワンピ属の常緑低木の果実)が熟す季節だ。今年の夏、大手デパート・スーパーと茶飲料ショップのカウンターに黄皮が登場し、販売量が急増している。広東省深セン市福田区にある茶飲料ショップ責任者の紀偉康さんは、「今年の夏は、黄皮関連の商品が非常によく売れており、一日に使用する量は600キロを超えている」と説明した。
黄皮を使った茶飲料だけでなく、黄皮そのものの販売量も大幅に増加した。深センのあるスーパーの果物売り場を訪れると、黄皮がもうすぐ売り切れそうになっていた。某スーパーの深セン新洲店店長の王為民さんによると、「今年、黄皮の販売量が前年同期比で200%以上増加したのは予想外だった」という。黄皮は皮をむけばすぐ食べられるし、コトコト煮込んでもいいし、若者の中には自家製黄皮ソーダを作る人もいるという。
ニッチな果物がたくさんの人々の視界に入るようになり、SNSでは黄皮の味や食べ方についての議論が高まり続け、関連商品の販売量の持続的な増加につながっている。某デリバリープラットフォームの飲料品類の責任者を務める伍倩児さんは、「デリバリーのデータを見ると、黄皮商品の全国での検索件数が前月比120%増となり、デリバリーの注文量は前月比で80%増加した。広州、深セン、東莞はいずれも売れ行きが好調な都市だ」と説明した。