5月31日、情報通信技術(ICT)研修プログラム「シーズ・フォー・ザ・フューチャー(未来の種)」の開始式。(カトマンズ=新華社配信)
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)はこのほど、ネパールで情報通信技術(ICT)研修プログラム「シーズ・フォー・ザ・フューチャー(未来の種)」を始動した。同国のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するこの取り組みは今年で4年目を迎えた。
ファーウェイとネパール教育科学技術省が共同で手掛ける。国連教育科学文化機関(ユネスコ)、ネパールのトリブバン大学、カトマンズ大学も協力する。
5月31日、開始式であいさつする中国の陳松駐ネパール大使。(カトマンズ=新華社配信)
期間中に上位に選ばれた学生は今年9月、中国で行われる現地研修と地域大会に参加する。同大会で上位だった学生は、中国で開催予定のグローバル大会の参加権を得られるという。
ファーウェイ・ネパールの黄俊(こう・しゅん)最高経営責任者(CEO)は開始式で、このプロジェクトを通じて得た経験と知識は、ネパールの若い人材がDXのリーダーになることを可能にするとし、「彼らは国の未来のイノベーター、実業家、テクノロジーリーダーに成長する種だ」と述べた。
5月31日、開始式であいさつするカトマンズ大学のボーラ・タパ副校長。(カトマンズ=新華社配信)
ネパール教育科学技術省のプダサイニ科学技術担当長官はあいさつで、「未来の種」プログラムはネパールの学生が最先端技術を理解し、異文化の理解能力を身につけ、起業家精神を引き出す「ユニークなプラットフォーム」を提供していると指摘。「この包括的なアプローチは、知識ベース社会を構築するという私たちのビジョンに一致している」と語った。
ユネスコ・ネパール事務所のマイケル・クロフト代表は、このプログラムがネパールの開発の優先分野、課題に非常に一致していると述べた。カトマンズ大学のボーラ・タパ副校長は、ネパールの地元人材育成のために長年にわたって尽力しているファーウェイに対し、謝意を示した。
5月31日、開始式であいさつするファーウェイ・ネパールの黄俊最高経営責任者(CEO)。(カトマンズ=新華社配信)
中国の陳松(ちん・しょう)駐ネパール大使は、同プログラムが青年人材の育成、イノベーションの促進の手本であると評価。知識の共有とスキルの育成という価値観を体現しており、「いかなる社会の進歩においても非常に重要だ」と述べた。
ファーウェイは08年に「未来の種」プログラムを開始した。各地でICT人材を育成し、電気通信産業に対する人々の理解と関心を高め、各国・地域のデジタルコミュニティー設立への関与を促している。プログラムは現在、世界の140カ国・地域に広がり、学ぶ機会を得た学生は1万8千人を超える。