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ウニから新エネ車まで、中国とチリの経済貿易協力拡大
提供元:  新華社
発表時間: 2024-05-22 23:05

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インタビューに応じるチリのボリッチ大統領。(2023年10月17日撮影、北京=新華社記者/呂帥)

 南米チリ産のチルドウニを積載した航空機がこのほど、首都サンティアゴを飛び立ち、中国広東省深圳市の空港口岸(通関地)に到着し、空港税関による審査を通過した。

 輸入元である貿易会社、深圳市利福特進出口有限公司の張磊(ちょう・らい)総経理は「私たちは3月31日、チリから48キロ(正味重量)のウニを初めて輸入した。市場の反応が良かったため、今は週2回以上のペースで商品を受け取っている。供給先を全国に広げることが可能となった」と話す。

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輸入されたチェリーを確認する深圳税関の職員。(2月5日撮影、深圳=新華社配信)

 チリのウニは美味しくて栄養も豊富だが、保存期間が短く輸送条件が厳しいことから、遠距離輸出は難しいとされていた。ウニの品質を確保するため、深圳税関は積極的に企業、蔵置場と連携し、荷降ろしから入庫、荷さばき、検査、証明書発給に至る全プロセスをスピードアップさせる対応策を作成した。張氏は「輸入ウニは、荷降ろしから通関まで、全プロセスの所要時間がわずか4時間で済む」と説明した。

 深圳はチリ産製品を受け取る中国の重要な港湾都市だ。対中輸出の重要農産物とされるチェリーは、総量の3分の1が深圳港で鉄道に積み替えられ、中国の南部、中部の内陸地域へと運ばれている。一方で、深圳のスマートフォン、コンピューター、自動車なども大量にチリへ輸出されている。

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深圳に到着したチリ産ウニ。(3月31日撮影、深圳=新華社配信)

 両国は距離的には遠いが、経済貿易の往来は緊密だ。チリにとって中国は、数年連続で最大の貿易相手、輸出先、輸入元であり、中国にとってチリは、中南米地域3位の貿易相手となっている。チリの主な対中輸出品は、銅・リチウムなどの鉱物・同製品、チェリー、豚肉、ワインなどが含まれる。

 両国は2005年、自由貿易協定(FTA)を締結。17年にはアップグレード議定書を交わし、19年3月1日に発効した。双方による関税撤廃品目は全体の約98%に広がった。

 チェリーは両国貿易を代表する製品の一つ。チリ果物輸出協会(ASOEX)の統計では、24年1月のチェリー輸出量の93%は中国向けで、輸出額は14億4700万ドル(1ドル=約156円)に上った。イバン・マランビオ会長は、中国の巨大市場がチリの果物産業チェーンにチャンスを創出し、チリの良質な農産物も中国人消費者の選択肢を豊かにしていると述べた。

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チリの首都サンティアゴの中心部を走行する中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)の電気自動車。(2023年10月31日撮影、サンティアゴ=新華社記者/辛悦衛)

 自動車も両国の経済貿易協力の重点分野だ。チリ自動車協会(ANAC)の統計によると、チリにおける中国製自動車の市場シェアは22年、39・7%に達した。リチウムの世界埋蔵量が第1位の国として、チリのリチウム鉱開発も中国の新エネルギー車(NEV)業の急成長を支えている。

 深圳に本社を置く電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は、17年に電動バスをサンティアゴに投入。23年10月6日にはセダン「海豹(シール)」を発売した。同社にとってチリで発売する6番目のモデルとなった。バッテリーグレードの炭酸リチウムを優遇価格で入手する権利も獲得し、現地で電池工場の建設を進めている。

 チリのボリッチ大統領は23年に訪中し、北京で開かれた第8回チリウィーク、中国・チリ企業家委員会年次総会に出席。その際、より多くの分野で協力ルートを広げるため、両国の経済貿易協力を深化させ、相互に市場をさらに開放するよう期待していると述べた。


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