10月14日午前、国務院新聞弁公室は記者会見を行い、深セン総合改革試行実施から1周年の主な進展・成果状況を解説し、記者の質問に答えた。国家発展改革委員会の趙辰昕(ちょうしんきん)秘書長、科学技術部の邵新宇(しょうしんう)副部長、司法部の劉炤(りゅうしょう)副部長、自然資源部の庄少勤(しょうしょうきん)副部長、広東省人民政府の王曦(おうぎ)副省長、深セン市人民政府の覃偉中(ちんいちゅう)市長が会見に出席した。
昨年10月、中央政府は深セン市に総合改革試行の新たな使命・任務を与えた。リスト一括授権方式で深セン市に重要分野及び中核部分の改革でより多くの自主権を付与し、改革措置27項目と第一次授権事項40項目を一括で打ち出した。
「試行業務は重要な段階的進展を得ている。第一次授権事項40項目のうち、22項目は既に正式に実施され、実質的な進展を遂げており、その他18項目の事項は秩序正しく推進されている」と述べた。趙辰昕は、関連する進展状況は主に四つの方面に集約されていると指摘した。
第一に、一連の重要な経済社会管理権限の委譲が順調に推進されていることが挙げられる。中央政府と国家の関連部門、広東省は深セン総合改革試行を全力でサポートし、関連事務権限の委譲を積極的に推進している。農業用地から建設用地への転換審査許可権、外国ハイエンド人材確認書の審査発行権、企業ポストドクター科学研究ワークステーションの分局設立と抹消権、林地占有の省級審査権等の様々な権限が次々と委譲することで、深セン市に重点分野と中核部分の改革でより多くの自主権を与えた。
第二に、一連の重点分野と中核部分の改革が突破を成し遂げたことだ。質の高い発展の中で直面する実際の問題の解決に着目し、深セン市は科学技術の革新、要素の市場化配置、民生サービスの供給、国際ルールの連結等の分野で積極的な模索を行った。これらの模索には科学技術革新制度・環境の更なる最適化が含まれ、非競争性、競争性の複線化科学研究投入メカニズムを率先して実行し、科学研究機構の技術移転メカニズムを持続的に最適化し、科学研究員に職務科学技術成果の所有権又は長期的な使用権を与えることを模索した。これらの模索にはさらに、土地管理制度上での模索の深化、地上・地表・地下それぞれに使用権を設定する制度を実行し、地下空間の分層別設置権を試行し、より正確な配置、より柔軟な空間資源配置メカニズムを調整することが含まれる。これらの模索にはさらに、資本市場建設での先行試行も含まれており、深セン証券取引所は21年ぶりにメインボード発行機能を回復し、メインボードと中小ボードの合併が正式に実施され、「メインボード+創業板」の市場枠組が形成され、創業板登録制の第一陣企業も順調に上場した。また、民生サービス供給体制の持続的革新と制度型開放においても新たな一歩を踏み出した。
第三に、一連の象徴的且つ先導的な改革案と措置が積極的に実施された点である。これには、多国籍企業の人民元・外貨一体型資金プール業務を率先して展開すること、また最初のインフラREITsプロジェクトを深センに設立すること、知的財産権侵害の懲罰的賠償を率先して推進すること、及び生態保護レッドライン、環境品質ボトムライン、資源利用のオンライン化及び生態環境参入リスト等の「3ライン1リスト」管理・コントロールシステムを率先して実施することが含まれている。
第四に、一連の重要な実践と制度の革新成果が絶えず形成されている点について。これには経済特区データ条例を率先して制定し、データ要素の便利な流通、デジタル産業とデジタル経済発展の効果的な制度供給の促進を模索したことが含まれ、わが国のデータ分野で初の基礎的・総合的な立法となった。これらの成果には、全国初の個人破産法規の実施も含まれており、中国国内初の個人破産案件はすでに裁定され発効している。また、グリーン金融を規範化する総合的な法案を率先して制定し、整然とした生態系総生産(GEP)採算制度体系を率先して確立したことも含まれている。また、創造的、先導的な重要な基準、規則、規範が着実に実施されている。
深セン市人民政府の覃偉中市長は深セン市の総合改革試行推進のメカニズムと措置について紹介した。内容としては第一に、部、省、市が連動した中央政府と地域の協同メカニズムをうまく活用する。第二に、ローリング実施の難関攻略推進メカニズムを確立する。第三に、改革に全面的に参与する前向きなインセンティブメカニズムを完備する。第四に、改革と連動する法治保障メカニズムを健全化するというものである。
現在、深セン総合改革試行は段階的な成果を収め、要素の市場化配置、ビジネス環境の最適化、民生サービスの供給等の面で一連の改革成果を打ち出し、一連の着実な効果が現れ、一連の推進を加速する良好な態勢を形成している。
第一に、総合改革の政策ボーナスを絶えず放出している。例えば、創業板改革と試行登録制の実施以来、新規上場企業が208社、IPOの合計融資額が1500億元を超え、香港・マカオの税金関連、計画、医療等の専門家が深センでサービスを提供することを許可され、香港・マカオで上場した9種類の薬品と2種類の医療機器が香港大学深セン病院で率先して使用を許可されたこと等が挙げられる。
第二に、総合改革の牽引作用がより顕著になった。深セン市は香港で50億元のオフショア人民元建て地方債券を率先して発行し、知的財産権侵害懲罰的賠償制度を率先して確立、実施を行い、全国初の完全な生態系総生産額採算制度体系を率先して発表した。
第三に、総合改革のモデル効果が徐々に現れてきたことだ。前海は累計645件の制度革新成果を打ち出し、全国で65件の複製・普及を行った。また、深セン国資国有企業総合改革の第一次試行成果が国務院国有企業改革指導グループ弁公室によって全国に普及された。
深セン市は今後も引き続き、高基準で第一次授権事項リストを完成させ、複製可能で普及可能な重大な制度成果の形成を加速し、全国の制度建設に向け重要な模範を示すよう努めていく。